母乳栄養児と混合児の腸内ビフィズス菌の違いとは何か?

母乳栄養児と混合児|腸内ビフィズス菌はどう変わる?

 

2017年4月6日付けで米国の科学誌「Cell Chemical Biology」電子版にある研究が掲載されました。
それは『母乳栄養児においてビフィズス菌優勢な腸内フローラが形成される仕組みの一端を解明された』という内容です。
分かりやすく言うとどのような事なのでしょうか?
簡単にまとめてみたいと思います(*^^*)

 

 

 

 

母乳育児の赤ちゃんと混合育児の乳幼児の腸内ビフィズス菌の違いとは?

 

概要

片山高嶺 生命科学研究科教授(石川県立大学寄附講座特任教授兼任)の研究グループと、伏信進矢 東京大学教授らとが共同で行った研究です。
ビフィズス菌は、1899年にパスツール研究所の研究で母乳栄養児に多く観測される細菌だと分かりました。赤ちゃんの便を調べたところ、授乳を開始すると直ぐに乳児の腸管にはビフィズス菌優勢な腸内フローラが形成されますが、授乳を辞めたと同時にこのフローラが消滅したからです。よってママの母乳にはビフィズス菌を増やす何らかの理由があると分かっていましたがその内容までは判明していなかったそうです。

 

 

 

研究方法

 

 

本研究グループは、人の母乳に含まれるオリゴ糖(母乳オリゴ糖 2)を利用するための酵素(母乳オリゴ
糖分解酵素 3) をビフィズス菌のみが有していることに着目して研究を進めてきました。
今回の研究では特にラクト-N-ビオシダーゼという酵素に着目して研究を行いました。ラクト-N-ビオシダーゼは、母乳オリゴ糖の中でも含有量の高いラクト-N-テトラオースというオリゴ糖に作用する酵素です。
京都府内の助産院の協力を得て、完全母乳で育てた乳児の糞便と混合乳で育てた乳児の糞便を解析したところ、ビフィズス菌の数が完全母乳栄養児で有意に多いこと、またラクト-N-ビオシダーゼの遺伝子数も有意に高いことを見出しました。
次に、X 線結晶構造解析 4によりこのラクト-N-ビオシダーゼの立体構造を解明することで、そのユニークな構造特性と詳細な反応機構を明らかとしました。ラクト-N-テトラオースというオリゴ糖は、様々な霊長類の乳中でも人乳にのみ特に多く含まれている成分です。また、ビフィズス菌はヒトの乳児に特徴的に多く生息する細菌です。このことから、ヒトはその乳児期に積極的にビフィズス菌と共生するという進化をとげ、それを支えたのが母乳オリゴ糖であることが推察されます。
今回着目したラクト-N-ビオシダーゼは LnbX という種類ですが、ビフィズス菌はもう1種類、同じ反
応を触媒しながらも全く異なる構造のラクト-N-ビオシダーゼ LnbB を持っています。乳児腸管に生息す
るビフィズス菌は4種程度ですが、それぞれの種が異なった戦略で母乳オリゴ糖を利用していることが
明らかとなってきました。つまり、これら4種のビフィズス菌は同じ生育環境中に生息しながらも多様
な酵素群を進化させてきたと言え、ビフィズス菌種間においても母乳オリゴ糖の利用を巡る生存競争が
あったと考えられます。

 

1 主にヒトなどの動物の腸内に生息する細菌で、いわゆる善玉菌と呼ばれる。特に、乳児期に多く、母乳で育てた場合、
全腸内細菌の 90%以上を占めることもある。
2 人乳に含まれる乳糖以外のオリゴ糖。3 番目に多い固形成分でありながら、ヒトの消化酵素には耐性であるために、乳
児の栄養とはならない。
3 母乳オリゴ糖に作用して加水分解する酵素で、乳児に生息するビフィズス菌が多く保有している。
4 酵素を含むタンパク質の立体構造を明らかにするための最も一般的な方法の一つ。目的物質の結晶に X 線を照射し、回
折データを測定することにより、微細な三次元構造を知ることができる。

 

出典:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/documents/170407_1/01.pdf

 

 

 

 

 

研究の波及効果と今後

近年、ヨーロッパでは、人工的に作った母乳オリゴ糖をミルクに添加しようという動きがあるそうです。
研究は、母乳オリゴ糖のビフィズス因子としての機能を解明した研究であり、科学的エビデ
ンスに基づいた食品添加物や栄養補助食品の開発に弾みをつけるものと言えます。
今後の課題は「乳児期にビフィズスフローラが形成されることのヒトにとっての生理的意義」を理解することです。

 

 

 

 

 

昔に比べてミルクの栄養がよくなってきているとは言え、やはり母乳は凄いですね(*^^*)

 

私自身は完全ミルクで育ちましたが健康児でした。
でも私は二人の子を完全母乳で育てたけど、やっぱり強い!!

 

上の子は3歳くらいまでの間に1.2回しか熱を出しませんでした。下の子はまだ1歳だけど、同じく全然風邪を引かないですね。
母乳を増やすことで赤ちゃんとの絆も築けて、さらに赤ちゃんの腸内環境が良くなり免疫力も高まるなんて一石二鳥ですね!

 

私はママのストレスが溜まるならばミルク育児にも賛成だけど、母乳はマッサージやサプリでかなり出るようになりました。だから母乳育児をしたいママさんは諦めないでケアしてほしいなって思います♪
そのために母乳を増やす方法についての沢山の情報を発信していますので、ぜひ役立てて下さいね(*^-^*)

 

 

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